株式投資にあたり、何を参考にするか?

 本記事では、株式投資で銘柄を選択するときに参考となる2つの手法(ファンダメンタル分析テクニカル分析)を簡単に説明し、それに対するはりきちの考え方を述べます。

1.ファンダメンタル分析とは

 ファンダメンタル分析は、投資対象となる企業の業績や財務状況を確認し、企業の価値評価を行い、併せて世界経済を決める基礎的な要因を分析する手法になります。例えば、以下のような指標に注目します。

  • PER(またはPE ratio。純利益(earnings)に対する株価(price)の倍率)
  • PBR(またはPB ratio。純資産(book)に対する株価の倍率)
  • ROE(Rate of equityの略。経営の効率性の指標。)

指標に関する説明は、日本証券業協会の解説ページがわかりやすいです。他にも、分析対象となる指標や材料は多く、ある程度の財務に関する知識も必要になります。

 この手法の考え方の肝になるのは、株式の価格と企業の本質的な価値には時として剥離があるということです。つまり、もしその企業の本質的な価値よりも株価が低くなっているのであれば、その時点で株式を購入すれば、将来的に株価が本質的価値に収束した時、資産を増やせる可能性があります。

 もちろん、その逆も然りです。企業の本質的な価値を見誤った場合は、割高な買い物をしてしまうことになり、資産を減少させてしまいます。したがって、分析は慎重に行わなければなりません。

2. テクニカル分析とは

 投資対象となる企業の業績や財務状況を分析し、企業の価値評価を行い投資の参考とするのが、ファンダメンタル分析でした。これに対して、株価の変動自体を分析対象し、将来の株価の予測を立てるのがテクニカル分析になります。

 例えば、下記のようなテクニカル指標を足掛かりにして売買を行います。

  • ローソク足(始値、高値、安値、終値から成る。)
  • 移動平均線(ゴールデンクロス、デッドクロスなどの手法が有名。)
  • RSI (Relative Strength Indexの略。買われすぎ、売られすぎを判断。)
S&P 500のテクニカル指標入りのチャート一例。Yahoo finance!より

 実はテクニカル分析は、経済学や金融工学の観点から以下の批判を受けることがあります。

株価(市場)にはすべての情報が折り込まれており、過去の株価を分析して将来の株価を予測するのは全く無駄である。

どういうことかというと、過去の株価に関するあらゆる情報は瞬時に株価に折り込まれてしまい、すでに現在の株価を決めてしまっているので、過去の株価の予測に意味はないということです。

 この批判は、経済学における効率的市場仮説(Efficient Market Hypothesis)と呼ばれる理論に依拠したものになります。これを元にして様々な経済学の理論が打ち立てられ、金融工学においてはオプションや債券価格の算定などに利用されており、まさに中心的な理論です。

それでは、テクニカル分析は科学的でなく、オカルトなのでしょうか?

実は、効率的市場仮説(Efficient Market Hypothesis)にも、最近発展しつつある経済物理学の知見より批判が浴びせられています。ということは、過去の株価から将来の株価を予測することにも意味がある、かもしれません。

3. はりきちの採用する手法

 これらのファンダメンタル分析テクニカル分析の二大分析手法を簡単に説明しました。harikichiのスタンスとしては、以前の記事にもあるように、ファンダメンタル分析を重視した投資を行います。企業の財務諸表や業績開示資料を見て、どのような事業内容なのか把握できるのが面白く、私にあったやり方と感じました。

 テクニカル分析は一度、興味を持ったことがあるのですが、やはり株価を日々追いかけるのが辛いと感じましたし、そのせいなのか、ついに詳細を理解することできませんでした。

 しかし、経済物理学の観点からの効率的市場仮説の批判については非常に面白いと感じましたので、現在、勉強中です。harikichiは、この学問を研究している機関の一つであるFinancial Crisis Observatory (チューリッヒ工科大学内)の記事を定期的に閲覧し、情報収集をしています。 経済物理学については今後、記事で紹介していきたいと思います。