景気循環、日本と米国の資産クラスの動向比較:2024年1月

 こんにちわ。はりきちです。新年に入ったところで、過去の日本と米国の各資産への資金流入の動向を見てみたいと思います。

対象資産と期間

 日米での分析対象は、株式・債券・コモディティ(または金)・不動産・為替の5つです。2023年末までの1000日間、具体的には過去記事(日本米国)で使用した下記の銘柄の時系列です。

  • 日本市場
    • 日本株 : 1306.T, NEXT FUNDS TOPIX ETF
    • 日本債券 : 2510.T, NEXT FUNDS 国内債券ETF
    • コモディティ(金で代用): 1328.T, NEXT FUNDS 金価格ETF
    • 不動産 : 1343.T, NEXT FUNDS J-REITETF
    • ドル円
  • 米国市場
    • 米国株:VOO
    • 米国債券:VGLT, Vanguard米国政府長期債券ETF
    • コモディティ:DBC, InvescoコモディティIndexトラッキングファンド
    • 不動産:USRT, iShares コア米国 REIT ETF
    • ドルインデックス

レラティブストレングス

 日本からみていきます。株と金の2強となっているように見えます。また、通常は株と債券は互いに同じ方向になるはずなのですが、短期間では確かに同じ動きですが、長期のグラフを見ると違う動きをしているようです。例えば債券が上昇し株が下がるときはデフレの環境になります。金が一貫して上がっているのでインフレであることは間違い無いのですが。為替と合わせて見ると、円高のタイミングで債券も上昇しています。株は下がってないのが不思議です。

  • 日本株・・・2023年までは横ばい、2023年から右肩上がり
  • 債券・・・振動しつつ緩やかに右肩下がり
  • コモディティ(金)・・・緩やかに右肩上がり
  • 不動産・・・振動しつつ緩やかに右肩下がり(ただし債券より緩やか)

 相対力の順:日本株>コモディティ(金)>不動産=債券>日本円

 続いて米国です。日本とは対照的に不動産が株とともに上昇しています。一旦上昇した金利が低下したので資金が戻ってきた、と解釈出来そうです。結果としてコモディティと債券は横横になっています。

  • 米国株・・・2022年は振るわず、2023年後半から急上昇
  • 債券・・・緩やかに右肩下がり、2023年は横ばい
  • コモディティ・・・2022年前半まで上昇、2023年は横ばい
  • 不動産・・・2022年は振るわず、2023年後半から急上昇

 相対力の順:米国株>不動産>債券>コモディティ

 上記の結果から気になっているのは円高・ドルの低下です。米国の金利が下がったことから米国株式と債券は上昇しているので、ドルからこれらの資産に資金が移ったことがわかります。それにしても円高の環境で金やTOPIXには資金が抜けずに定着しているのが面白いです。

金利

 当ブログをご覧いただいている読者の皆さんにはお馴染みのグラフです。高利回り債のオプション調整後利回りと米国債10年利回りと2年利回り差の、2年間平均の時系列と相図になります。相図の線が右下にある状態が信用不安であり、この時が逆張りのタイミングになります。まだ高利回り債が反応していない状態なので、相場は堅調、ということになります。

まとめ

 危機はまだ来ていないようで、シナリオを立てるのが難しいです。ただし年初の地震のように突然やってくるので、それに対する備えは必要なのかもしれません。