こんにちわ。はりきちです。昨年に重度の突発性難聴にかかり、これまで治療を続けてきました。片耳が聞こえない、または聞こえにくい生活を続けてきました。今、突発性難聴にかかって情報収集している人たちの助けになればと思います。あれから数ヶ月経ったので、現在までの経過を書いていきます。
入院での検査
はりきちは住んでいるところでは比較的大きな病院で入院し治療を受けていました。入院当日にまず最初にしたことは、各種の検査です。突発性難聴は原因のよくわかっていない病気なためか、意外にも多くの検査を受けました。今までに以下のような検査がありました。
- 聴力検査
- 血液検査
- レントゲン検査
- 心電図
- 平衡感覚の検査
- MRI検査(退院後)
聴力検査は健康診断で毎回やるので馴染みのあるものですが、音の周波数を広範囲にふったり、ノイズを入れてみたり、また通常のヘッドホンの他に骨伝導で音を聞かせるものがありました。平衡感覚の検査はめまいの性質を調べるものです。真っ暗な部屋で、眼を録画するカメラ付きのゴーグルをかけ、座っている時、寝転んでいるときの眼球の動きを確認する物です。片方の三半規管がおかしくなっていると、眼球の動きが右または左に動くようです。最後のMRI検査はなぜするかというと、脳に腫瘍があるために突発性難聴が起こったという可能性を排除するために実施します。
突発性難聴の治療
入院をすると検査を受けつつ治療を行いますが、突発性難聴の治療は比較的シンプルです。下記の薬の点滴をします。
- ステロイド・・・炎症を抑える。経験的に突発性難聴の治療に有効とされる
- メコバラミン・・・ビタミンB12、手足のしびれや痛みなどの神経症やめまい
- トリノシン・・・血流改善
午前中に上の薬の点滴をして、午後からは検査が入っていなければ一日中暇です。朝や夜に定期的に看護師さん、担当のお医者さんもたまに様子を見にきます。
コロナ禍での入院
今回、世間ではコロナ禍の只中でしたので、病院は当然ながら厳戒体勢となっていました。
- マスクは必ず着用
- 面会厳禁、荷物はナースステーションで預かり直接渡すのは禁止
- 相部屋のカーテンは常に閉める
- 消毒液は病室前に常備
- うがいや歯磨きは病室の洗面台に限る
患者さん同士のお話は談話スペースのみで、談話スペースでも飲食禁止といった具合です。
いろいろな患者
耳鼻科の入院階でしたが、病院はやっぱり老人が多いなと思いました。多くの方は手術で3日程度で退院していきました。聞き耳を立てていると、白内障の手術だったり、耳の手術など様々なようです。中には新米の看護師さんに説教したがりのおっさんや、術後のせん妄で意味不明の行動をとる爺さんがいました。ステロイドの副作用で眠れない時にこれはかなりげんなりしました。ただ、片耳が聞こえないので耳栓は片方だけで済みました笑。
暇つぶし
上に書いたような治療の他はほとんどすることがないのでひたすら暇です。本を2冊持ってきていたので、集中して勉強できたのはよかったです。2冊との読み終えた上にノートを作れました。
改善と退院後の生活
入院してから治療をしていましたが、最初の数日間は全くといっていいほど耳の聞こえ方に変化がなく、このまま片耳が聞こえないまま過ごすのだろうかと考えていました。さらに、歩くときのふらつきもあり、普通の仕事はできないため、退職しなければいけないかなと心配になりました。前回も説明したように、重度の突発性難聴は、なかなか治らないのです。家族をどうやって食べさせていけばいいか。
しかし、入院からしばらくして再度の聴力検査をすると、意外にも改善した結果が出てきました。担当のお医者さん曰く、何が寄与して治ってきたのかはわからないようです。突発性難聴は基本的に耳の奥の不調と言われているので、耳の奥の何が悪くて聴力を失ったのかは現代の医療でもほとんどわかっておらず、経験的にうまくいった治療法が試されているだけなのです。とはいえ、改善の兆しが出てきたのは私にとっての一筋の光でした。
退院後も投薬治療です。上の3つの薬が点滴から飲み薬に変わるだけです。ステロイドは最初期だけで、急に投薬を止めるのではなく徐々に量を減らしていき、以降は使いません。しばらくは耳を労るように生活します。
- 気圧の変化があるため飛行機へ乗るのは禁止
- カラオケやライブは禁止
- 辛いものやカフェインは神経を興奮させるので控える
- アルコールは週1ビール1缶程度
退院後の生活で困ったこととしては、以下のようなことですね。
- テレワークの時にヘッドホンの片耳を聴くと耳が痛むので耳栓が必要
- 片耳だけでも周囲の音がかなり聞こえにくく、会話も聞き返すことが多くなる
- 後ろから自転車や車に聞こえない方の耳から抜かされる時、突然現れているように感じるので怖い
- ふらつきが残るので階段やエスカレーターが怖い
その後
メコバラミンとトリノシンの投薬治療を続け、数ヶ月おきに病院へ通い、聴力検査をやりました。結果は次の通り。
最も高音域の8kHz以外は、ほぼ正常に戻りつつあります。正直なところここまで回復するとは全く考えていなかったので安心しました。辛抱強く支えてくれた家族と職場に感謝しています。難聴になってからおよそ半年で聴力は固定されるため、そのまま残り3ヶ月治療をするかどうかを聞かれましたが、ここまできたのなら最後までやってやろうと思い、治療を継続することにしました。診察後にはどっさりと90日分の薬を抱えて、自宅へ戻りました。
次回、最終回です。