世界のバブル動向(2022年4月):イールドカーブのフラット化

 こんばんわ。はりきちです。春がきたと思えば、あっという間に暑くなってきました。雨も降るようになり、早くも初夏がやってきたようです。今月は遅くなりましたが、Financial Crisis Observatory のレポートを読み解きます。

イールドカーブ

 4月のレポートでは米国国債のイールドカーブがフラット化、図中で横一直線となっていることが触れられています。なぜフラット化すると問題になるのかというと、過去に米国国債の短期債(2年)と長期債(10年)の利回り(イールド)が逆転した場合に、景気後退になる場合があるという経験則があるからです。この解説はこちらの記事(米国国債のイールドカーブ・フラット化は景気悪化の兆候か)がわかりやすいです。図を見ると、今年の3月31日の時点で2年と10年の利回りの逆転が起こっていますね。また、この記事を執筆中の4月27日時点ではニューヨークダウは前日比2.38%の下落でした。米国国債の

図1 米国国債イールドカーブ The FCO Cockpit Global Bubble Status Report April 2022より引用

株式の動向

 先月よりもポジティブバブルの成分は増加しています。ただ、趨勢としては右肩下がりなので、この上昇も一時的なものと解釈できそうですね。

図2 ポジティブバブル成分の時系列。FCOのデータよりはりきち作成。
図3 ポジティブバブル成分の時系列。FCOのデータよりはりきち作成。

セクター別の動向

 Energyセクターがバブル気味ですね。年率リターンではすでに43.7%となっています。SHELやEQNRなどの石油メジャーは今年に入ってからかなり上昇していますが、高値なので今は買うべきではないでしょうね。反対にAT&TなどのTelecommunication Sericesは下落しています。公共株は相場全体が下落しているときには相対的にマシと言われているので、こちらを増やすのも考えたいです。

図4 各セクターのバブル動向 The FCO Cockpit Global Bubble Status Report April 2022より引用

個別株の動向

 4つの領域のうち、数が全体にばらついているような印象を受けます。今回、右上の領域:買いのトレンドフォロワー投資家が好む株について見ています。以下のような銘柄です。

  • ブリストルマイヤーズスクイブ
  • アッヴィ
  • ロッキードマーチン
  • グレンコア
  • エクイノール
  • シェル

下2つは先ほど挙げた銘柄です。引き続きいじらずに様子見します。

図5 個別銘柄のバブル動向、縦軸から右側がバブルスコアが高くバブルの可能性のある銘柄群。The FCO Cockpit Global Bubble Status Report April 2022より引用
図6 個別銘柄のバブル動向、順張りの買い投資家の好む株。The FCO Cockpit Global Bubble Status Report April 2022より引用

まとめ

  • イールドカーブフラット化でいよいよ市場崩落か
  • 株式のポジティブバブル成分は減少の一途