世界のバブル動向(2022年6月):インフレは続く

 こんにちわ。はりきちです。Financial Crisis Observatory のGlobal Bubble Reportを紹介してきましたが、Sornett先生が今年の7月31日にETHを退官されるようで、今後はETHではこのレポートが更新されなくなるようです。ただ、Sornett先生はthe Institute of Health and Wealthで同様のレポートを発行されるようなので、これを引き続き追っていくことにします。

露のガスの分布

図1 露からの天然ガスの輸入量シェア、露の占める割合 The FCO Cockpit Global Bubble Status Report Jun 2022より引用

 レポートでは露が輸出している天然ガスの輸出先が図解されていました。トップ3はドイツ、イタリア、オランダになります。これらの国の最新の動きを見ていきます。

  • ドイツ(露のシェア80%):ドイツの4月の生産者物価指数、前年同月比で過去最高の33.5%上昇、ジェトロ
  • イタリア(露のシェア60%):ロシアが天然ガスの供給削減を続けた場合、来週にも「警戒事態」を宣言することを検討、ロイター
  • オランダ(露のシェア20%):ガスの支払いにルーブル建決済を拒否、ニューズウィーク

オランダはそこまで影響がないようですが、ドイツとイタリアは依存割合が大きいので、モロに天然ガス価格上昇の煽りを受けていますね。また、相対的にイタリアのインフレが進んだことによって、ドイツとイタリアの金利差が拡大しています。これを受けて、その是正のためにECBが動く用意があると発表しました。まあ、元はと言えば欧州が露からのガスの輸入量を削減する目標を掲げてしまったので、戦争が長引けばこうなるのは自明です。EVの推進も、ルノーのCEOが及び腰になってしまっていますし、結局、自分の首を絞めるようになりました。イギリス、オランダはシェル(SHEL)がありますし、北欧の資源大国であるノルウェーは儲かっています(石油メジャーのEQNRの株価を見てください。)。 

米国が戦争を止める気がない以上、インフレは続くでしょうし、経済は縮小の一途となるとすれば、成長を見越して株を買っていくのは危険かもしれません。ここ数年でバリュー投資は死んだと言われていましたが、そうではないようです。

株式の動向

 ポジティブバブル成分(株価の上昇)は5%の近傍と1年前に比べて大きく落ち込みました。このまま0の近傍で推移するのではないでしょうか。ネガティブバブルは(株価の下落)先月と似たような値です。ずるずると株価は下げていくのでしょうね。

図2 ポジティブバブル成分の時系列。FCOのデータよりはりきち作成。
図3 ネガティブバブル成分の時系列。FCOのデータよりはりきち作成。

セクター別の動向

 エネルギーセクター以外は黄色〜赤色とさしずめ相場の秋といったところですかね。どんどんリターンが減っていっていますね。

図4 各セクターのバブル動向 The FCO Cockpit Global Bubble Status Report Jun 2022より引用

個別株の動向

 先月と比べるとやや左側に位置する銘柄が増えたような気がします。このまま増えてくれば掘り出し物が出てくるかもしれませんね。もちろん上側に位置するものを狙っていきたいです。逆張りかつ買いの投資家好みの銘柄もリストアップされてきましたが、セクターも完全にばらけていて、市場全体が冷え込んでいく傾向です。このような時に毅然として買い付けをしていける懐事情ならいいですね。

かつてはりきちが取引したり保有したものは下記です。

  • フォード、F
  • シスコ・システムズ、CSCO
図5 個別銘柄のバブル動向、縦軸から右側がバブルスコアが高くバブルの可能性のある銘柄群。The FCO Cockpit Global Bubble Status Report Jun 2022より引用
図6 個別銘柄のバブル動向、逆張りのロング投資家の好む株。The FCO Cockpit Global Bubble Status Report Jun 2022より引用

まとめ

 インフレが続き、株価にとってはいいニュースがありませんね。はりきちは今のうちに利益出しをして資金を補充しておきます。