世界のバブル動向(2022年5月):インフレ不況いつまで続くのか?

 こんにちわ。はりきちです。株価がずるずると下落していく状況が続きますね。はりきちはここ数ヶ月はほとんど株に資金を回さずに静観していますが、正解のようです。5月のFinancial Crisis Observatory のレポートを読み解きます。

コモディティの上昇

 レポートではエネルギー(石油)、肥料、食糧のグラフが示されていました。20年から急激に上昇しています。ロシアとウクライナ(米国)の戦争による影響が大きいです。バイデン大統領は、議会に対してウクライナへの4兆円もの支援のための追加予算申請をしました。これはいうまでもなく巨額の予算なので、バイデン大統領はロシアと長期的にやり合う意思があることを示しています。一方ロシアの方は初めから戦略の目的が明確で、ほぼ達成しています。1:ウクライナのNATO非加盟(中立)、2:ルガンスクとドネツクの独立容認、(これらは2014年の両国間でのミンスク合意に関係している)をウクライナに対して求めています。ゼレンスキー大統領はこれらの要求をはねつけ、米国の支援を背景に停戦を拒みました。このような状況なので、米国がウクライナへ肩入れし続ける限り、引き続きコモディティー価格は高止まりすると考えます。

図1 コモディティ価格変動 The FCO Cockpit Global Bubble Status Report May 2022より引用

株式の動向

 ポジティブバブル成分は下がり続け、1年前の値の4分の1以下になってしまいました。それに対してネガティブバブル成分は上昇しています。なので、株式に関しては下落圧力がかかっていることになります。6月からもトレンドとしては下がり続けていくと考えます。

図2 ポジティブバブル成分の時系列。FCOのデータよりはりきち作成。
図3 ネガティブバブル成分の時系列。FCOのデータよりはりきち作成。

セクター別の動向

 Energy, Technology Hardware & Equipment, Food & Staplesなど以外はリターンがマイナスになってきています。ロシアとウクライナ(実際は米国との代理戦争)の戦争は長引きそうです。しばらくはEnergy以外はずるずると下げていきそうですね。

図4 各セクターのバブル動向 The FCO Cockpit Global Bubble Status Report May 2022より引用

個別株の動向

 きれいに上と下の塊に分かれているように見えます。FRBの利上げも続き、今後は景気も後退局面に向かっていくと思うので、しばらくは下のようなValue scoreの低い銘柄は買い付けを避けていきたいですね。

図5 個別銘柄のバブル動向、縦軸から右側がバブルスコアが高くバブルの可能性のある銘柄群。The FCO Cockpit Global Bubble Status Report May 2022より引用

 逆張りのロング投資家の好む株は、以下の通り、有名企業も続々と出てきました。はりきちとしては、まだまだ株価としては下落を続けると考えるので、焦らず機会を待ちたいと思います。

図6 個別銘柄のバブル動向、逆張りのロング投資家の好む株。The FCO Cockpit Global Bubble Status Report May 2022より引用

まとめ

 戦争でモノの値段が上がり続ける中、それを抑えるための金利の引き上げが米国で続きます。株価にとっては下がる方向です。