ESGは儲からないのか?有機栽培の推進によるスリランカの崩壊


 7月、スリランカのゴダパヤ・ラジャパクサ大統領は国の破産を宣言しました。
 これに対して、杉山 大志:キヤノングローバル戦略研究所研究主幹は無理なESG政策を進めたためであると喝破しています。

民衆の暴動を受け、国外に脱出したスリランカのゴタバヤ・ラジャパクサ大統領。JPpressより引用(写真:AP/アフロ)


 スリランカの特産品は紅茶でありましたが、なぜか有機栽培を進めてしまいました。もともと化学肥料によって紅茶などの収穫量を増やしてそれらを輸出し、外貨を獲得してきた歴史があります。ところが2019年からの有機栽培を推進し、2021年4月にはついに化学肥料や農薬の使用を禁止してしまいました。これにより、スリランカの農作物の収穫量は急減し食料品なら値段は急騰、インフレに拍車をかけました。コロナ禍により観光での収入をあてにできなくなったスリランカはついに崩壊しました。途中で化学肥料の部分的利用を再開する動きもあったのですが、欧州情勢によりこれは頓挫しました。
 農業を題材にした漫画や書籍などを読んでいただくと、いかに有機栽培が難しいか描かれています。化学肥料は必要なのです。実は、日本でも有機栽培を推進しようという(愚かな)動きがあります。インフレが進みそうですね。
 私も過剰な環境配慮(本当に配慮しているのか?)は反対であります。もともと日本は省エネ、勿体ない精神で環境に配慮してきました。最近の潮流は、過剰ばかりでなく日本の国力を減じる動きが多いと思います。

 投資先は石油やタバコなどの反ESG・SDGs銘柄を集中してきましたが、今のところ正解です。一方で、グリーンファンドやらSDGsファンドなどは成果を残しているでしょうか?そうは見えないです。肥料株NTRと石油メジャーのEQNRは好成績です。