世界のバブル動向(2021年8月)

 こんにちわ。はりきちです。コロナの影響が続く中なんとか無事に開催できた東京オリンピックも終了し、お盆に突入する時期になりました。そんな状況とは関係なく相場は動いていきます。今月もバブル情報をFinancial Crisis Observatory のGlobal Bubble Status Reportから入手します。8月分のレポートではまず中国市場の状況が書かれていました。中国当局の締め付けで中国株は下落、米国市場では、1兆ドル以上の下落、はりきちの保有銘柄:アリババ、中国平安保険も影響を受けました。中国当局の規制は以下の3つの国家目標に分類されます。

  • 安全保障:個人情報の保護、テクノロジーの自立性の強化
  • 共通の繁栄:労働者が締め付けられ、一方で富裕層が繁栄するような不平等の是正
  • 社会の安定:中国の中産階級の社会的不満に繋がる負担の軽減

これらによりテック系ビリオネア、レバレッジをかけた不動産王、メディカルサービス・教育サービスにより恩恵を受けていた層はルーザーとなると書かれています。ここ一年を思い返すと、中国株は米中政府の移行により右往左往させられました(図1)。

図1 過去1年間のGolden Dragon China Indexとイベント The FCO Cockpit Global Bubble Status Report August 2021より引用

各種資産クラスの動向

 7月分のデータを覗いてみます。面白いのは個別株のポジティブバブルの成分はすべて上昇傾向にあるのに対し、インデックスは下降している点です。みなさんの保有している銘柄はどうなっていますか。

図2 各資産クラスのバブル成分表 The FCO Cockpit Global Bubble Status Report August 2021より引用
  • 個別株 12→14 上昇
    • 欧州 13→14 上昇
    • 米国 12→14 上昇
  • インデックス 18→16 下降
    • 欧州 19→12 下降
    • 米国 19→18 下降
    • グローバル 19→16 下降
図3 バブル成分の時系列。FCOのデータよりはりきち作成。。

セクター別の動向

 先月とセクターの傾向は変わっていないものの、バブルスコアがより高い数値となっているので、バブルとしては強化されていると考えるのが良さそうです。バリュースコアとしては若干下降しているようですね。引き続き慎重な取引を心がけます。Telecommunication ServicesとUtilitiesはこのまま低浮上でいてもらいたいところです。

図4 各セクターのバブル動向 The FCO Cockpit Global Bubble Status Report August 2021より引用

個別株の動向

 先月に続いて右半分の象限(Trend following buyer, Contrarian seller)に位置する銘柄が多いので、つまり買い優勢の状態が続いていると図からも判断できます。

図5 個別銘柄のバブル動向、縦軸から右側がバブルスコアが高くバブルの可能性のある銘柄群。The FCO Cockpit Global Bubble Status Report August 2021より引用

 個別銘柄ではドミノピザやターゲットが第1象限に位置しているのが面白いですね。第2象限の逆張りでショート投資家の好む株としてはABB(FA・変電システム大手)、エア・リキード、リンデ、アルファベット、フェイスブック、VISAなどが挙げられています。リストに並ぶ銘柄の多いこと。まだまだ市場はお祭り気分といったところですかね。

図6 個別銘柄のバブル動向、順張りのロング投資家の好む株。The FCO Cockpit Global Bubble Status Report August 2021より引用
図7 個別銘柄のバブル動向、逆張りのショート投資家の好む株。The FCO Cockpit Global Bubble Status Report August 2021より引用
図8 個別銘柄のバブル動向、逆張りのショート投資家の好む株(続き)。The FCO Cockpit Global Bubble Status Report August 2021より引用

 最後に第4象限の逆張りでロング投資家の好む株ですが、AT&Tがありますね。Twitter上でも決算やスピンオフの発表、増配なしなどの理由ででこの半年間に売却している人を多く見かけました。はりきちのスタンスとしては売らずに買い増しをします。最近、SECのレポートにCEOのJohn Stankey氏が株式を買い増したと報告がありましたので、買い判断をしました。CEOや経営陣のこういう行動は注目に値します。

まとめ

 まだまだ株式市場は楽観の気配です。慎重な取引を心がけます。