前回の記事では中国恒大集団(チャイナエバーグランデ)について書きましたが、今回も中国の動向について書いてみます。Financial Crisis Observatory のGlobal Bubble Status Reportを読み解きます。各種のデータを見てみると、好調であった株式市場もそろそろ落ち着いてくると読み取れます。
固定資産価格とGDPの関係
中国政府は10月23日に固定資産税(不動産税)を導入することを発表しました(日経新聞記事)。今まで無かったのが驚きですね。財政赤字の問題を不動産市場の冷え込みよりも優先するという強い意志の現れだとレポートでは指摘されています。また、固定資産価格の下落とGDPとの関係がどの程度あるかが書かれています。
- 固定資産価格10%下落→GDP1%下落
- 固定資産価格15〜20 %下落→GDP5〜10%下落、不動産市場20 %低迷、リセッションへ
このほか、エネルギー不安や資産規制強化、COVID19の地域での拡大、台湾の地政学的緊張などを抱えており、中国は非常に厳しい状況です。
各種資産クラスの動向
さて、株式とインデックスの状況を確認してみます。先月に引き続き各種のバブル成分は下落傾向にあり、少しずつ勢いが弱まっているように見受けられますね。
- 個別株 11→8 下降
- 欧州 10→7 下降
- 米国 12→10 下降
- インデックス 14→11 下降
- 欧州 14→14 変わらず
- 米国 18→11 下降
- グローバル 14→11 下降
セクター別の動向
セクター別ではバブルの規模感としてもそこまで大きくないようです。
個別株の動向
個別株の動向ですが、第4象限(図の左上):逆張りのロング投資家が好む株の数が増えてきています。下記の高配当利回り銘柄が挙げられており、残りのNISA枠を使っての買い増しを検討します。
- ブリティッシュアメリカンタバコ, BTI
- インターナショナルペーパー, IP
- AT&T, T
まとめ
- 中国市場は引き続き警戒、崩壊後のチャンスを伺う
- 全体として市場の勢いは減る
- 個別株ではBTIとTの買い付けを続行、IPも検討に値